検体検査を施行した時に算定する項目は大きく分けて以下の3つあります。
・検体検査実施料
・検体検査判断料
・検体採取料
普段よく行われている血液検査もこの検体検査の項目に当てはまります。
今回の記事では検体検査で算定する「検体採取料」のことについて深堀していきます。
検体採取料といっても、検体の種類で算定する点数もそれぞれ違います。
今回は検体検査の中でも一番メジャーな「血液」に絞って考えていきたいと思います。
以前受診した明細書です。
2週間余り咳が続いていたので、炎症反応(CRP)まで調べました…💦
そして気になるところが血液採取「その他」で算定されています。
検体採取料の算定条件とは
検査に必要な血液を採取した場合に算定できる点数には「D400血液採取料」と「D419動脈血採取」があります。
D400 血液採取(1日につき)
1 静脈・・・・・・・・・・・25点
2 その他・・・・・・・・・・ 6点
注
1 入院中の患者以外の患者についてのみ算定する。2 6歳未満の乳幼児に対して行った場合は、20点を加算する。
3 血液回路から採血した場合は算定しない。
D419 その他の検体採取
3 動脈血採取(1日につき)・・・・・・・・・・・50点注1 血液回路から採血した場合は算定しない。
出展:診療点数早見表
採血という同じ行為でも、実施する検査項目や採取する場所によって算定できる点数が違います。
それぞれどのような違いがあるのか、算定条件など検証していきたいと思います。
D400血液採取料(静脈)
一般的な採血方法で、注射器で静脈に穿刺して採血した場合はこの点数を算定します。
ほとんどの方に経験があり、簡単にイメージできると思います。
カルテには「BーV」と表記されます。
D400血液採取料(その他)
耳朶(耳たぶ)採血または指尖(指先)採血を行った場合に算定します。
簡易血糖測定器(デキスター)など指先に針を刺して検査した場合もこちらの点数になります。
その場合はグルコースではなく「糖試験紙法」で算定します。(点数は同じですが)
カルテには「BーC」と表記されます。
D419その他の検体採取・3動脈血採血
動脈より採血を行った場合に算定します。
「D007 血液化学検査の36血液ガス分析」を実施したときにはこちらの点数になります。
カルテには「BーA」と表記されます。
検体採取料が算定できない場合とは
検査に必要な血液を検体として採取したときの採取料はほとんどの場合、算定することが可能です。
しかし、条件次第で算定できない時もあるので注意が必要です。
検体採取料が算定できない時は以下の通りです。
入院中の患者に行った場合
D400血液採取1,2の注記に
「注1:入院中の患者以外の患者についてのみ算定する。」とありますので、入院中は算定できません。
動脈血採血においては入院中でも算定可能です。
検体採取料が包括された管理料を算定した場合
特定薬剤治療管理料や悪性腫瘍特異物質治療管理料は採血料が所定点数に含まれているため、
採取料を別に算定することが出来ません。
生体検査の「負荷試験等」に伴って行った採血の費用も所定点数に含まれているため、算定できません。
血液回路から採血した場合
別の目的ですでに血管にルートがある状態より採血を行った場合も別に採取料を算定することが出来ません。
点滴回路・中心静脈回路・人工腎臓(透析回路)などになります。
1日に複数回採血した場合の2回目
同日に静脈採血と耳朶採血を行った場合は、「1日につき」という規定によりどちらか一方しか算定できません。
よって点数の高い静脈を算定します。
但し、同日に血液採血(静脈)と動脈血採血を行った場合、「1日につき」との規定はありますが
D400とD419とそれぞれの区分が違うため、両方とも算定することが出来ます。
血液採取料の算定条件のまとめ
血液採取料は試験に多く出てきますので、算定できない条件など必ず確認しておきたい項目です。
・血液採取の種類は3種類ある
・検査項目や採取場所によって算定する点数が違う。
・採取料が包括されている管理料や検査項目がある
・組み合わせによっては同時算定できない。
以上のことを頭に入れておけば、試験対策や普段の算定業務はバッチリです。
基本的なことなので、しっかり覚えておきましょう。